脳がかくのは楽しいと反応するから子どもを我慢させるのは大変

脳がかくのは楽しいと反応するから子どもを我慢させるのは大変

Brain’s Reward Circuits Mediate Itch Relief. A Functional MRI Study of Active Scratching

日本語題:脳の報酬回路はかゆみを軽減する。引っかき行動のMRI研究


痛い、つらいなどはほとんどの人に苦痛

たまにつらいことを耐えることが好きな方もいますが。

でも、「かゆみ」だけは特殊なんです。

つらい人もいればそうじゃない人もいる。

かいたら気持ちいいことはみんなほぼ知っている。

でも、かくと後からもっとつらい状況になることを知っているので。

我慢しないといけない。

それが「かゆみ」です。


The midbrain emerges as an important structure involved in the processing of scratching and in encoding the reward perceived in the active scratching of itch. The VTA, PAG, substantia nigra (SN) and the raphé nucleus appear to play a major role in the rewarding aspect of scratching, since all of these areas where strongly correlated with pleasurability ratings.

和訳と要約

「中脳は、かゆみにたいして積極的に引っかくと報酬として信号を出す。 VTA、PAG、黒質(SN)および髄核は、これらの領域のすべてが快楽性評価と強く相関しているため、ひっかくことの報酬面で重要な役割を果たすようである。」


脳が報酬として認識している。

子どもは、おやつを食べている状態と同じ状態。

楽しいと脳が反応している。

親は、ひっかくと肌が傷だらけになることを知っています。

子どもはわからない。

このギャップが親を苦しんでいる方が相談に来られます。


これをどうやって我慢させるのか?

「かゆみ」を止めるのが一番ですが。

かくよりも楽しいことを探すことも選択肢として考えられます。

この論文にも、報酬回路が満たされれば「かゆみ」を軽減すると書いてあります。

そんな時間ないしって言われそうですよね。

幼少期にはペットよりも運動のほうが幸福度が高い

ここでも書きましたが、運動はよさそうです。

子どもは学校に行くようになり、そこで社会性が育まれます。

傷だらけの自分と傷だらけじゃない他人を比較する。

そこでひっかくのはよくないと学習する可能性もあります。


何を言いたいのか。

かいたらダメって言ってもかいてしまうのは。

脳が報酬として認識してしまっているからで。

お子さんが、言うことを聞かない悪い子ではないですし。

親の責任でもないです。


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「かゆみ」コラム 〜愛知県春日井市 みやこ内科クリニック〜

愛知県で体の中からかゆみ治療をしているみやこ内科クリニックです。体がかゆい、薬を塗ってもかゆい、かゆくて寝られないなど、かゆみの相談を毎日受けています。「かゆみ」の相談をする場所が少ないこともあり、他県からも来院されます。かゆみはつらい症状の一つで治療ができるのだということが世の中に広まればと思い、このコラムを書くことにしました。