漢方薬は「かゆみ」や「お肌」効果があるのか?
Exp Dermatol. Author manuscript; available in PMC 2015 Aug 25.
A topical Chinese herbal mixture improves epidermal permeability barrier function in normal murine skin(海外論文サイトに飛びます)
日本語題:中国漢方の混合薬は正常なマウスの皮膚の透過性とバリア機能を向上させる
スキンケア商品などに含まれる漢方エキス。
前回は菊で効果があったことがレポートにありました。
漢方薬をみやこ内科クリニックでも使うのですが。
効果を検証している論文を見つけました。
Chinese herbal medicine (CHM) has been shown to have beneficial effects for both skin disorders with barrier abnormality and as skin care ingredients. Yet, how CHM exerts their benefits is unclear.
和訳と要約
「中国の漢方薬は皮膚のバリア機能の修繕とスキンケアの両方に効果があることがわかっている。しかし、どのような効果があるのかは不透明だ。」
効果があることはわかっている。
皮膚は目で見える部分なので、効果があるかどうかは見たらわかる。
その経験を積み重ねて作り上げたものが漢方薬。
Recent studies have demonstrated the clinical relevance of barrier function, because inherited barrier defects increase the risk of developing inflammatory dermatoses, including atopic dermatitis (AD) . Therefore, the enhancement of permeability barrier function could represent a valuable preventive and/or therapeutic approach for the treatment not only of AD but also of other dermatoses accompanied by barrier abnormalities.
和訳と要約
「最近の研究では遺伝性のバリア機能障害がアトピー性皮膚炎などの炎症を原因とする皮膚疾患のリスクを増加させることがわかっている。
皮膚のバリア機能の向上がアトピー性皮膚炎だけではなくその他の皮膚疾患の予防や治療にアプローチできる。」
漢方薬へ期待するのは、アトピー性皮膚炎などの炎症が原因の治療に効果があるのか?
という仮説を立てました。
ちなみに、アトピーはアレルギー疾患と思われがちですが。
皮膚の炎症が原因です。
結果はどうだったのか?
We demonstrate here that topical CHM treatment enhances both epidermal permeability barrier homeostasis and antimicrobial peptide expression in normal epidermis. These results offer a compelling rationale for utilizing this CHM preparation in diverse clinical settings that are characterized by abnormal barrier function and/or increased risk of infection.
和訳と要約
「中国の漢方薬は表皮のバリア機能の正常化と正常な表皮の抗菌ペプチドを向上させた。これらの研究結果は様々な臨床現場で漢方薬が異常なバリア機能や感染リスクの増大を予防することが期待できる。」
皮膚のバリア機能とは防御機能のことです。
この機能を正常に戻すことと同時に抗菌効果もあった。
感染症対策としても期待ができる。
アトピーだけではなく、「かゆみ」で皮膚が傷だらけになった。
その時に回復薬として期待できるかもしれません。
現在は日本には飲み薬で皮膚にいいものはありますが。
塗り薬はこれといったものはないです。
漢方薬は、お肌を強くする薬が多いですからね。
今後、日本でも漢方薬を使った皮膚病治療薬ができたら。
選択肢が増えるかもしれません。
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