漢方薬【菊】はお肌どんな効果があるのかデータをとってみた

漢方薬【菊】はお肌どんな効果があるのかデータをとってみた

Exp Dermatol. 2013 Mar; 22(3): 210–215.

Topical Apigenin Improves Epidermal Permeability Barrier Homeostasis in Normal Murine Skin by Divergent Mechanisms (海外論文サイトへ飛びます)

日本語題:局所アピニゲンは正常なマウスの表皮透過バリアー機能の恒常性を改善します


漢方薬、実はお肌をよくする効果が高いです。

みやこ内科クリニックでも漢方薬は処方しますし、効能も知っています。

でもデータも知りたいということで調べました。

The beneficial effects of certain herbal medicines on cutaneous function have been appreciated for centuries. Among these agents, Chrysanthemum extract, apigenin, has been used for skin care, particularly in China, for millennia. However, the underlying mechanisms by which apigenin benefits the skin are not known.


和訳と要約

「特定の漢方薬は皮膚機能に効果的だというのは、何世紀にも渡って評価されている。この中の菊の成分アピゲニンは中国ではスキンケアに使われているがそのメカニズムは知られていない。」


漢方薬を使っているけど、まだわからないことがある。

だから、この研究でどういう効果があるのかを解析しようということです。

この効能がわかれば、その成分だけを抽出。

他の成分は、他の治療に回せるので無駄が減る。

そういった意味でも大切な研究です。


どうして菊を選んだのか?

 Commercialized chrysanthemum tea, as well as chrysanthemum extracts contained in skin care products, are claimed to increase skin hydration and to provide a protective barrier.

和訳と要約

「菊のお茶やスキンケアに使われていて、潤いのある肌にして皮膚のバリア機能を増加させると言われている。」


肌は水分が大事で、弾力のある肌は皮膚疾患の予防にはとても大事なことなのです。

これがわかると、多くの人のなやみ「アトピー性皮膚炎」の改善に役立ちます。


どのように行ったのか?

Hairless mice were treated topically with either 0.1% apigenin or vehicle alone twice-daily for 9 days. 

和訳と要約

「毛のないマウスに局所的にアピゲニン、もしくはビヒクルを一日2回9日間行った。」

アピゲニンと含まれてものを1日2回9日間、局所的ということは塗ったということだと思います。

注射したのであれば注射と書いてあるので、おそらくですが塗ったと考えられます。


結果はどうなったのか?

Our results show that topical apigenin significantly enhanced permeability barrier homeostasis after tape stripping, though basal permeability barrier function remained unchanged.
We conclude that topical apigenin improves epidermal permeability barrier function by stimulating epidermal differentiation, lipid synthesis and secretion, as well as cutaneous antimicrobial peptide production.

和訳と要約

「結果は、皮膚の透過性バリアー機能の恒常性は向上したがバリアー機能自体の変化は認められなかった。

私たちは、表皮細胞の活性化、皮脂分泌の活性化、抗菌タンパクの活性化により表皮のバリアー機能が改善すると結論付けた」


皮膚が活性化することで、皮膚のバリアー機能は変化はなく状態は改善した。

だから、菊の成分アピゲニンは効果がありますよとのことです。

この論文には、アトピー性皮膚炎の治療に期待ができると締めくくっています。


アトピー性皮膚炎はアレルギー疾患と思われていますが。

皮脂欠乏症です。潤いが改善するとアトピーは治療可能です。

その改善に漢方薬が期待できそうだということですね。

これから、研究が進むことを期待したいです。


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「かゆみ」コラム 〜愛知県春日井市 みやこ内科クリニック〜

愛知県で体の中からかゆみ治療をしているみやこ内科クリニックです。体がかゆい、薬を塗ってもかゆい、かゆくて寝られないなど、かゆみの相談を毎日受けています。「かゆみ」の相談をする場所が少ないこともあり、他県からも来院されます。かゆみはつらい症状の一つで治療ができるのだということが世の中に広まればと思い、このコラムを書くことにしました。