「かゆみ」はストレス発散としてかいてしまう?
Clin Dermatol. 2013 Jan-Feb; 31(1): 31–40.
Psychosomatic factors in pruritus(海外論文サイトへ飛びます)
日本語題:かゆみにおける心身症の要因
「かゆみ」の相談をされる方の特徴。
心の底から疲れている。
まず、笑顔がない。
「かゆみ」と心の論文を検索すると大量に出てきました。
世界中で同じなんですね。
Their interaction may be conceptualized and classified into 3 groups: pruritic diseases with psychiatric sequelae, pruritic diseases aggravated by psychosocial factors, and psychiatric disorders causing pruritus.
和訳と要約
「精神疾患によるかゆみ、心理社会的要因によって起こるかゆみ、かゆみによって起こる精神障害の3つのグループに分かれる」
大きく分けると、このようになります。
Interpersonal stress was found to predict increased severity of atopic dermatitis a day later.The direct association between stress and itch has also been shown in a number of studies.
和訳と要約
「人間関係でのストレスはアトピー性皮膚炎の悪化をを一日後に予測した。ストレスとかゆみの直接的な関係性は多くの研究で明らかにされている。」
人間関係でストレスを感じるとアトピー性皮膚炎が悪化。
多くの研究でもストレスとかゆみは関係あると報告がある。
それは実感できますね。
「かゆみ」が「ストレス」を生んで、「かゆみ」を悪化させる。
負のスパイラルが起きやすい。
It is not uncommon to notice people subconsciously scratching their heads when they are asked a difficult question. In the same way, patients with chronic pruritus may scratch more during socially conflicting situations. In patients with neurodermatitis, underlying conflicts such as strain relationships, humiliation, and performance demands can precipitate and aggravate scratching when such psychological tensions were unable to be expressed directly. Scratching provides immediate relief of an unpleasant sensation and may be a portal for reduction of inner tension.
和訳と要約
「難しい問題に直面すると、頭をかくということは珍しくない。慢性的なかゆみで悩んでいる人は、社会的に難しい状況でかゆみを感じる。緊張が続く、屈辱的なこと、結果を求められる状況でそれを表現できないときにかいてしまう。ひっかく行為は、緊張感を緩和することとして行われる。」
ここからわかることは、ストレスが起こるとそれを緩和するためにかいてしまう。
そのため、ストレスがかかるとその防御反応が過剰になるのかもしれません。
It is also likely that a number of these cases are aggravated by or a consequence of social isolation, loss of bonding relations, and the feeling of emptiness.
和訳と要約
「これらの症例は、社会的孤立、結びつきの孤立、むなしさによって悪化する可能性がある。」
社会的に孤立することで「かゆみ」が悪化する可能性がある。
まだ、ここの解明はそれほど進んではいませんが。
不安が強くなると「かゆみ」が強くなる。
孤独感が「かゆみ」の悪化要因になることは大いに考えられます。
これらのことを考えると。
「かゆみ」がストレスを生み。
ストレスが「かゆみ」を悪化させる。
そして不安が強くなる。
「かゆみ」も早期に治療することが、楽しく人生を送れるきっかけになるのかなと思う論文でした。
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