「かゆみ」のメカニズムを難しく説明してみました

「かゆみ」のメカニズムを難しく説明してみました

Japanese Society of Allergology January 2017Volume 66, Issue 1, Pages 31–35

Spinal dorsal horn astrocytes: New players in chronic itch(海外論文サイトに飛びます)

日本語題:脊髄後角アストロサイト:慢性かゆみの新しい活動者


どのような「かゆみ」を問題としてあげているか。

In general, scratching can transiently relieve such itching sensations. However, under pathological conditions such as skin diseases like atopic dermatitis, other systemic disorders, such as liver and kidney diseases or HIV/AIDS, as well as metabolic disorders, itch becomes more severe and chronic, which leads to excessive, repetitive scratching.

和訳と要約

「一般的にひっかくのは一時的なかゆみを取り除く。しかしながら、アトピー性皮膚炎のような皮膚疾患、肝臓や腎臓の疾患、HIVのような全身性の代謝疾患でのかゆみはより重度で長くない、繰り返し引っかいて傷を負ってしまう。」


一時的に引っかいて終わるかゆみは問題ではなく。

ここで取りあげているのは、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患。

その他の病気が原因となる「かゆみ」を問題として取り上げています。

慢性的な「かゆみ」と急性期の「かゆみ」の反応が違うことを見つけています。

Of note, pharmacological, molecular, and genetic manipulations of the function or expression of astrocytic STAT3 and TLR4 substantially influences chronic itch behaviors and, importantly, have no effect on acute histaminergic and non-histaminergic itch behaviors under normal conditions.

和訳と要約

「注目すべきは、アストロサイトのSTAT3 と TLR4は慢性的なかゆみに対して反応し、急性的・正常時のかゆみにはヒスタミンや非ヒスタミンに関わらず反応していない。」

脊髄後角のアストロサイトが反応したのは慢性的なかゆみの時だけ。

かいたら終わる急性的な「かゆみ」の時は反応していない。

慢性と急性で感じている部分が違う。

これは大変大きな発見です。


「かゆみ」をかいたら終わる。

この場合は問題ではない。

むしろ気持ちがいいくらいです。


かいてもかいてもかゆい場合。

肌がボロボロになる。

肌がボロボロになると、自分でも見えるし、周りの目も気になる。

精神的なダメージは大きい。


アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患の治療法はあるのですが。

他の病気が原因となっている「かゆみ」

この治療薬の研究がすすむことを期待したいです。


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「かゆみ」コラム 〜愛知県春日井市 みやこ内科クリニック〜

愛知県で体の中からかゆみ治療をしているみやこ内科クリニックです。体がかゆい、薬を塗ってもかゆい、かゆくて寝られないなど、かゆみの相談を毎日受けています。「かゆみ」の相談をする場所が少ないこともあり、他県からも来院されます。かゆみはつらい症状の一つで治療ができるのだということが世の中に広まればと思い、このコラムを書くことにしました。