人はかいてる動画を見るとかゆくなる。お猿さんはどうなる?それがわかって何?

人はかいてる動画を見るとかゆくなる。お猿さんはどうなる?それがわかって何?

Monkey see, monkey do: contagious itch in nonhuman primates.(海外論文サイトへ飛びます)

日本語訳:サルは見て、サルはする:人間ではない霊長類の伝染性のかゆみについて


今回は番外編みたいな感じです。

人間は虫刺されのシーンを見ると「かゆみ」を感じる。

他にも人がかいてると「かゆみ」を感じる。

じゃあ、猿は?という論文です。

In a first experiment, the latency to scratch following cage-mate scratching was observed in pair-housed adult rhesus macaques. Scratching increased within the first 60 s and subsequently declined. In a second experiment, scratching behavior was recorded for individually caged adult rhesus macaques which where shown videos of monkeys scratching, but also neutral stimuli.

和訳と要約

「第1の実験では、ケージ内の別の猿がかいた後のスクラッチの時間を成体アカゲザルで観察した。スクラッチングは、最初の60秒以内に増加し、続いて減少した。第2の実験では、個々にケージされた成人アカゲザルの掻爬行動を記録した、ここでは猿の引っかき傷のビデオを見せた。」


猿がかいて、それを見た他の猿もかいた。

猿が実際にかいているところを見たらかいた。

じゃあ、次は動画ではどうか。


A greater frequency of scratching was observed when monkeys viewed a video sequence of another monkey scratching as well as during the neutral stimulus immediately following the monkey scratching segment.

和訳と要約

「サルが別のサル掻爬のビデオを見たとき、およびサル掻き分けセグメントの直後の中程度の刺激の間にサルを観察したときに、引っかき傷の頻度がより高いことが観察された。」


ビデオでもかゆみを起こしたとあります。

これから何がわかるのかというと。

人間は本能的にかいてしまう可能性があります。

猿は動画を理解しているのかどうかはわかりません。

猿同士だろうが、動画だろうが見たら猿もかいている。

かゆみは目からの刺激に弱いことが本能的に示された。

「かゆみ」を思い出さない環境というのも大事ですね。

とはいえ、それがわかって何?って言われると。

こんな論文があったよって程度です。


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「かゆみ」コラム 〜愛知県春日井市 みやこ内科クリニック〜

愛知県で体の中からかゆみ治療をしているみやこ内科クリニックです。体がかゆい、薬を塗ってもかゆい、かゆくて寝られないなど、かゆみの相談を毎日受けています。「かゆみ」の相談をする場所が少ないこともあり、他県からも来院されます。かゆみはつらい症状の一つで治療ができるのだということが世の中に広まればと思い、このコラムを書くことにしました。