長い「かゆみ」は生活の質が低くなるけど、自覚がない?
Diagnosis and Treatment of Urticaria and Angioedema: A Worldwide Perspective(海外論文サイトへ飛びます)
日本語訳:蕁麻疹と血管浮腫の診断と治療:世界的視点
病気でどっちがつらいというのはないのですが。
咳とかゆみの生活の質を比較した論文を見つけました。
Impact of CU on HRQoLAvailable data show that from a subjective viewpoint, CU is more than an annoying disease. CU subjects report lower HRQoL when compared with healthy subjects or with patients suffering from other medical conditions.
和訳と要約
「HRQoL(生活の質)に対するCUの影響。データでは、主観的な観点から、慢性蕁麻疹(CU)は厄介な疾患ではないことがわかっています。しかしCU患者は、健康な被験者または他の病状に罹患している患者と比較して、HRQoLが低くなっている。」
ここでの比較は虚血性心疾患と呼吸器系アレルギー、いわゆる咳喘息ですね。
これと比べています。
ここでのポイントは、主観的には厄介な疾患ではないということ。
本人が自覚していない可能性がある。
生活の質をどのように計測したのかまでは不明ですが。
他の人、例えば家族が見てつらそう。
これは実際にクリニックで家族が付き添いで来られる方が多いです。
Surprisingly, although patients with ischemic heart disease referred more limitation in mobility, CU patients reported more severe sleep problems. Energy, social isolation, and emotional reactions scores showed similar results between the 2 groups.
和訳と要約
「虚血性心疾患を有する患者は、運動性が制限されたと言われたが、CU患者は、より深刻な睡眠の問題を報告した。エネルギー、社会的孤立感、感情反応のスコアは2群間で同様の結果を示した。」
虚血性心疾患の方は運動が制限されてるけど、かゆみは心疾患の方よりも寝られていない。
心疾患は楽だって言いたいのかって言うと、そうじゃない。
心疾患っていうと、つらいというのがわかる。
それは本人もだし周りもわかる。
慢性蕁麻疹の方は、本人がつらいことを自覚していないことが本当に多い。
「かゆみ」はこれくらいつらいことなんですと本人に自覚してもらい。
相談していいという後押しになれば。
そんな思いでこの論文をピックアップしました。
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