【かゆみの経済学】アトピー性皮膚炎の方が寝られないことで起こっている経済損失は1兆円?

【かゆみの経済学】アトピー性皮膚炎の方が寝られないことで起こっている経済損失はいくら?


「かゆみ」が本人だけの問題ではないから、悩んでいるなら相談してね。

その後押しになればと思い、かゆみの経済学を書きます。

今回は、「アトピーによる寝不足」での経済損失を様々なデータを元に算出しました。


まず、「かゆみ」で寝られない方はどの程度いたのか?

Int J Mol Sci. 2016 Mar; 17(3) Nocturnal Pruritus: The Battle for a Peaceful Night’s Sleep

によると

Unpublished data from 150 patients with chronic itch, collected from our institution, shows that 76% of patients suffer from nocturnal pruritus.

和訳と要約

「施設にいる慢性的なかゆみ患者150人の76%は夜間のかゆみに悩んでいる。」


このかゆみはアトピー以外にも疥癬やじんましんも含んでいます。

ただ、割合なので眠れないアトピー患者さんも同じ割合と仮定します。

では、アトピー患者さんはどの程度なのか?

日本の20~30代では9%ほどと厚生労働省のアレルギー疾患の現状に書いてあります。

ちなみに、アトピーはアレルギー疾患ではありません。

皮脂欠乏症です。


では、日本の睡眠不足による経済損失

アメリカシンクタンク ランド社

Why sleep matters — the economic costs of insufficient sleepによると

The US sustains by far the highest economic losses (up to $411 billion a year) due to the size of its economy, followed by Japan (up to $138 billion a year).

和訳と要約

「アメリカが最も経済損失が大きく年間4110億ドル、経済規模が大きいですからね、ついで日本の年間1380億ドル」

2018年5月19日現在のドル円相場は、1$=110円となっています。

15兆1800億円が睡眠不足による経済損失となっています。


これらのデータを元に計算をします。

15兆1800億円×0.09(アトピー性皮膚炎の罹患率)×0.76(かゆみで寝不足の割合)

=1兆38億円

アトピー性皮膚炎の寝不足だけで1兆円を超えています。

データの寄せ集めでの概算ですので、参考程度にしてください。


「かゆみ」による経済損失はほかにも考えられます。

・外に出たくない

・仕事への集中力が下がる

などなど。

それらを含めるともう少しインパクトは大きくなりそうです。


「かゆみ」でお医者さんに相談していいのかなって思っていました。

患者さんから言われます。

相談してくださいね。


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「かゆみ」コラム 〜愛知県春日井市 みやこ内科クリニック〜

愛知県で体の中からかゆみ治療をしているみやこ内科クリニックです。体がかゆい、薬を塗ってもかゆい、かゆくて寝られないなど、かゆみの相談を毎日受けています。「かゆみ」の相談をする場所が少ないこともあり、他県からも来院されます。かゆみはつらい症状の一つで治療ができるのだということが世の中に広まればと思い、このコラムを書くことにしました。