「かゆみ」は男性がなりやすい?女性がなりやすい?

「かゆみ」は男性がなりやすい?女性がなりやすい?

Life Sci. 2014 Jan 14;94(1):54-7.

Sex-related differences in SLIGRL-induced pruritus in mice.(海外論文サイトへ飛びます)

日本語題:SLIGRL誘発のかゆみに性差はあるか、マウスでの実験


「肌で悩んでいるのは女性が多い。

男性は気にしないではなく。

かゆみを感じやすいのは女性なんじゃないのか?」

そんな疑問を持ったので調べてみました。


Recently, it was reported that there are sex-specific differences in scratching behavior in chronic pruritus patients. Namely, female chronic pruritus patients scratch more and have significantly more scratch lesions than male patients.

和訳と要約

「最近、慢性かゆみの患者に性差があることがわかってきた。引っかき傷が女性の方男性より著しく多く、病態も悪い人も多い」

女性の方が気にしていたとするなら。

傷が残らないように気にしてかかないはず。

ですが、引っかき傷が多いということは女性の方が「かゆみ」を感じやすい。


男性と女性の皮脂量。

論文を探したのですが見つからず。

個体差が大きいのだと思います。

大手化粧品会社の調査結果によると男性が女性の2倍だそうです。

ものによっては、3.5倍というのもあるのでこれとは言い切れません。

ただ、多いことは事実のようです。


Female mice showed significantly higher scratching counts in SLIGRL-NH2-induced pruritus than male mice. Conversely, there was no obvious sex-related difference in scratching behavior for the other pruritogens examined.
These results indicate that sex-related differences may exist in the pruritogen-responsive neurons that transmit the itch signal induced by SLIGRL-NH2, but not by histamine or 5-HT.

和訳と要約

「メスのマウスがSLIGRL-NH 2かゆみ誘発剤でオスのマウスよりも高い引っかき回数をとった。逆に他の誘発剤に性差は現れなかった。

結果は、SLIGRL-NH 2かゆみ誘発剤では性差はあったが、ヒスタミンや5-HTでは差はなかった。性差によるかゆみ伝達に差がある可能性をしめした。」


ヒスタミンなどでは大きな差はなかった。

でも、差があるかゆみ誘発剤があった。

メスのマウスがかゆみにオスより反応した物質があり。

でもオスがメスよりも反応した物質は見つからなかった。

かゆみ神経に性差があるのでは?という結果でした。


女性の方が肌弱いというよりは。

女性の方が「かゆみ」男性よりも伝達しやすい。

ということだとわかりました。

女性の方が肌を気にしているとかではなく。

女性の方が「かゆみ」を強く感じている可能性が高いですね。


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「かゆみ」コラム 〜愛知県春日井市 みやこ内科クリニック〜

愛知県で体の中からかゆみ治療をしているみやこ内科クリニックです。体がかゆい、薬を塗ってもかゆい、かゆくて寝られないなど、かゆみの相談を毎日受けています。「かゆみ」の相談をする場所が少ないこともあり、他県からも来院されます。かゆみはつらい症状の一つで治療ができるのだということが世の中に広まればと思い、このコラムを書くことにしました。