虫刺されなどの「急性かゆみ」とアトピーなどの「慢性かゆみ」の違い
Pflugers Arch. Author manuscript; available in PMC 2014 Dec 1.
New insights into the mechanisms of itch: are pain and itch controlled by distinct mechanisms?(海外論文サイトへ飛びます)
日本語題:かゆみメカニズムの新しい考察:痛みとかゆみは別のメカニズムでコントロールされているか?
蚊に刺されたような「急性のかゆみ」
これは正直それほど問題ではないです。
「慢性のかゆみ」というのは、簡単にいうとずっと治まらない「かゆみ」
これはつらい。
そのため、「慢性のかゆみ」について調べました。
Like acute pain, acute itch is protective and serves as a warning signal for potential tissue damage caused by invader such as parasite .
Itch can be induced acutely, such as mosquito bite, and this itch only lasts minutes and is inhibited by scratching the affected area.
和訳と要約
「急性のかゆみは急性の痛みのように防御反応や寄生虫のような異物によるダメージの信号的な役割を果たしている。
蚊に刺されたようなかゆみは、数分しかなくそしてその部分を引っ掻くと治まる」
肌に何かが付着したりすると、かゆみが出る。
これが「急性のかゆみ」で、これは体の防御反応。
とげが刺さった時に痛みが走る。
これも危険ですよという信号なので似ています。
「急性かゆみ」は対応も簡単ですよね。
慢性のかゆみはというとそういうわけにいかない。
Chronic itch commonly occurs in patients with skin diseases, and also is a comorbidity of other systemic disorders, such as liver and kidney diseases, HIV/AIDS, as well as metabolic disorders . Notably, chronic itch is underappreciated and difficult to manage.
In chronic itch patients, scratching-evoked sensation can be perceived as itch and produce an “itch-scratch-itch” cycle to exacerbate itch.
和訳と要約
「慢性のかゆみを生じている患者さんは、皮膚疾患、そして他の疾患の合併症、肝臓や腎臓の病気、HIVやエイズ、代謝障害によって引き起こされる。
かゆみは過小評価され、そして自己管理が難しい。かゆみは引っかくことでさらにかゆみが出る悪循環に陥ってしまう。」
かゆみが他の疾患の合併症として出てしまうとコントロールが難しいです。
この中で、皮膚疾患、例えばアトピーや蕁麻疹や肌荒れ。
これらには治療法があるのでそちらはコントロールできる可能性が高い。
最近では「かゆみ」への研究が進んでいます。
The striking similarities between chronic itch and chronic pain have important clinical implications, because chronic pain and chronic itch are likely to coexist in patients, such as those with neuropathic postherpetic pain and itch.
Many treatments and prescribed drugs for chronic pain control are also effective for treating chronic itch.
和訳と要約
「慢性かゆみと慢性痛みには共通点があり、例えば神経に感染ヘルペスのように痛みとかゆみは共存することもある。
多くの慢性痛み治療薬は慢性かゆみの治療にも有効である。」
ヘルペスの場合、神経に感染するため痛みとかゆみが起こります。
そういった場合は同じ薬でコントロールができる。
「痛み」のコントロールばかりが注目され「かゆみ」は過小評価されてきた。
「痛み」だけではなく、「かゆみ」にも有効なものがある。
「かゆみ」治療が進んでいないわけではなく。
軽く考えられていたから効果判定をしていなかっただけ。
今後研究が進む可能性を感じる論文でした。
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