「季節性喘息」と「蕁麻疹(じんましん)」の意外な関係からわかること
Int Arch Allergy Immunol. 2016;169(4):263-6
Seasonal Exacerbation of Asthma Is Frequently Associated with Recurrent Episodes of Acute Urticaria.
日本語題:季節性喘息の悪化と急性蕁麻疹の発生との関係。
季節性喘息も蕁麻疹もヒスタミンが関係しているのはもちろん知っています。
ヒスタミンが出るのであれば、両方なりやすいのでは?
そこに着目しているレポートなので読んでみました。
Asthma and urticaria are both partially mediated by an increased release of histamine from highly activated mast cells. They are pathophysiologically different, as mast cell degranulation in these 2 disorders results from different mechanisms.
和訳と要約
「喘息と蕁麻疹は両方が肥満細胞の活性化によって放出されたヒスタミンによって共通している一部分が引き起こされる。二つの症状は病理生理学的には異なり、肥満細胞の異なる機構によって起こっている。」
喘息と蕁麻疹の両方ともがヒスタミンによって起こってはいるけど。
発生の仕方が違うから同じとは言えない。
それはそうです。
ヒスタミンが出るならヒスタミンが関わる症状が全て出たら、全身炎症だらけです。
この研究では一年間季節性喘息と蕁麻疹の患者さんの試験を行っています。
During the 1-year observation period, episodes of urticaria were significantly more frequent in asthma patients with positive skin-prick test reactions (mainly seasonal pollens), and consequently occurred mostly during seasonal asthma exacerbation, i.e. during acute episodes of urticaria. The incidence of asthma in CSU patients was recorded in 10.5% of the group, similar to that in the healthy control population.
和訳と要約
「一年間の経過観察中、蕁麻疹は季節性花粉の刺激で咳を引き起こす喘息患者に優位に高かった。蕁麻疹を有する人が喘息を発症するのは健常者と変わらなかった。」
喘息は喘息でも、花粉刺激によって引き起こされた喘息患者さんは蕁麻疹になりやすかった。
なるほどという感じです。
花粉症の人は花粉の時期に蕁麻疹になりやすい。
「花粉で肌が荒れる」
ではなくて
「花粉で蕁麻疹になっている」が正解です。
肌が荒れていると思い、誤った対応をすると
逆に真っ赤に腫れあがってしまいます。
炎症を起こしているわけですからね。
「花粉の時期には蕁麻疹になりやすい」
ということを知っていただければと幸いです。
腫れあがってしまうと、びっくりして怖くなります。
パニックになっている方もよくいますので。
花粉の時期に「かゆみ」が出たら相談してください。
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