エチオピアでは薪から灯油に変えたらアレルギー性皮膚炎が増えた?
Am J Respir Crit Care Med. 2001 Nov 1;164(9):1660-4
Increased risk of allergy associated with the use of kerosene fuel in the home.(海外論文サイトへ飛びます)
日本語訳「家庭での灯油使用によるアレルギー疾患の増加リスクについて」
によると
Use of any non-biomass fuel was reported by 959 individuals (10%), usually in combination with biomass fuel, and was significantly associated with an increased risk of allergic sensitization (age, sex and socio-economic status adjusted odds ratio (95% confidence interval) = 1.78 [1.06 to 2.97]) and wheeze (1.56 [1.07 to 2.26]), rhinitis (2.06 [1.46 to 2.91]) and eczema (2.82 [1.61 to 4.96]) relative to use of biomass fuel only.
和訳と要約
「非バイオマス燃料を使用している969人を調査したところ、バイオマス燃料のみとのリスクのオッズ比は呼気性喘鳴1.56、鼻炎2.06、そして湿疹2.82となった。」
バイオマスというのは、薪や家畜の糞尿、木炭などを使用した燃料です。
日本で最近取り上げられているバイオマス発電とは少し異なります。
非バイオマスとは、ここでは灯油、電気、ガス燃料です。
エチオピアでは都市部では灯油、電気、ガスが普及し始めたので。
農村部との比較をしたところ、アレルギーの症状が増えた。
その中でも湿疹、皮膚炎は一番です。
すべての非バイオマスが問題かというと。
These effects were predominantly due to kerosene, which was significantly related to all outcomes, and gas, which was strongly related to allergic sensitization. Our findings suggest that domestic combustion of refined fossil fuels increases the risk of allergic sensitization and symptoms, and may have contributed to the increasing prevalence of allergic disease.
和訳と要約
「全ての症状で灯油は関連していて、ガスはアレルギー反応を増加させることがわかった。石油製品がアレルギーに関連していることがわかった。」
と書いてあります。
日本ではどうかと調べてみました。
灯油の使用量が多いのは、
当然ですが北海道です。続くのは寒い地域ですよね。
ではアレルギー疾患の都道府県別で調べてみました
北海道が多いはずですが、そうでもないです。
都会であれば多いのかというとそうでもありません。
アレルギーはこれと断言できるものはない。
私はそう思います。
それ以上にライフスタイルによって原因は様々。
アレルギー性皮膚炎で起こる「かゆみ」も同じで原因は特定できないことが多いです。
「かゆみ」の原因を探して取り除こうとするよりも。
「かゆみ」は治療して困らないようにしていく方が早いです。
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