本当に肌は季節との関係があるのか?
皮膚に及ぼす気象要素の影響-夏季・秋季について- (外部リンクに飛びます)
によると
生理機能による違いを小さくすることで、気象要素の影響を捉えることができると考えられる。 すなわち、 年齢や性別、 地域、 行動、 個々に異なる肌タイプ (ノーマル、 ドライ、 オイリー、 オイリードライ) などの影響である。
これらの影響をグルーピングすることや、 個人別等で解析することで、 気象要素の純粋な影響に近いものを捉えられるのではないかと予想される。 要するに皮膚と気象要素との関係が明らかになることで、肌荒れなどの皮膚疾患の対策をすることができる。
と仮説を立てたとあります。
季節によって皮膚の変化と影響を調べたら。
その季節ごとの正しい対策ができるのではないか?
私もそう思いこの論文を読むことにしました。
夏は紫外線対策で、秋は乾燥対策。
そんなイメージです。
結果はどうだったのか?
自然環境での測定では、 化粧、 発汗、 行動等や生理機能 (睡眠・食事など) の個人差の大きいものによるノイズが多く含まれることから気象要素の影響が現れにくい。
これは測定時間が一定でない等の測定方法の問題点や、近年、 建物の中では空調設備が整っており、 1年中を通して快適な環境を作っていることから、 自然環境での気象要素とはまったく違う環境の影響を受けている点もあげられる。
例えば、 夏では、 室外は気温が高く発汗が起こるが、 室内では発汗が起こらない程度の快適な室温となっている。 冷房によって室温を下げるために湿度が低下することも同時に起こる。 そのため、 夏には皮膚が乾燥することが起りにくいはずなのにもかかわらす、 室内に長時間いることで乾燥してしまう場合がある。 そのため、 室外での気象データとの相関が見られないのであろう。
自然環境の影響もあるけど、近代は建物の中で快適な温度になっている。
夏は湿度が高いから発汗が起こり皮膚が乾燥することは起こりにくいと考えていたけど、肌は乾燥した。
室内にいる時間が長くなり、冷房の影響を強く受けるようになっている。
人工気象室の実験ように、 環境条件を調節する測定では、 自然環境の測定のようなノイズが少なくなるために気象要素の影響が顕著に表れる。 水分量には、 気温・飽差・蒸発散量等の要素との関係が見られ、皮脂量と気温には強い関係が見られたことから、 皮膚は気象要素の影響を受けることが明らかである。
では、その環境ではなく人工的に季節を作って過ごしてもらったら気象要素の影響を受けた。皮脂量が気温と密接な関係にあったということです。
これから何が分かるのか?
季節よりもその人その人のライフスタイルで皮膚への影響が変わるということ。
外にいる人と中にいる人、化粧や睡眠など。
「かゆみ」の対応もそれぞれということになります。
夏でも保湿が必要な人もいれば、炎症を抑えたほうがいい人もいる。
紫外線が影響しているなら、日傘をさすことが必要であったり。
肌トラブルの原因が多岐に渡るのであれば。
「かゆみ」の治療法も多岐に渡る。
この季節はこれではなく。
この人の生活ならと考える。
そういうことがこの論文でわかったことです。
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