「かゆみ」がある人にストレスをかけたら、脳のどの部分が反応するか

ストレスをかけて「かゆみ」を感じた時、脳のどの部分が興奮しているか。

International Journal of Dermatology First published: 14 August 2015

How stress triggers itch: a preliminary study of the mechanism of stress‐induced pruritus using fMRI (海外論文サイトへ飛びます)

ストレスとかゆみの関係を研究しようとした論文です。


Stress is known to be an important aggravating factor in itch, but the precise mechanism by which brain activation results in stress‐induced pruritus remains elusive.

和訳と要約

「ストレスはかゆみを引き起こす原因として重要ですが、脳が活性化することでストレス性のかゆみを引き起こすメカニズムは知られていません。」


ストレスがかゆみを起こすのはわかっている。

でもどうしてそうなるのかがわかっていない。

そこがわかれば、治療法なども解明されるかもしれないです。


この論文はここからが怖いです。

どうやってストレスをかけたのか?

Memories of stressful events followed by visual stimuli using a series of pictures depicting fearful and stressful conditions, mixed with neutralizing pictures, were used to evoke pruritus.

和訳と要約

「ストレスのかかる出来事の後、普通の写真の中にストレスのかかる写真を混ぜて見せてストレスをかけかゆみを誘発させた」

普通の写真の中に、かゆみを誘発する写真を入れてかゆみへのストレスをあげた。

ドッキリです。


結果どうなったのか?

The hippocampus and subcortical structures were found to be involved in stress‐associated pruritus. 

海馬と皮下組織がストレス性のかゆみに反応していることがわかった。

では、海馬とは何か。

簡単に説明すると、記憶を司る部分です。

かゆみが起こる状態を記憶してしまうのかもしれないですね。


ドッキリの後に行ったことが。

Furthermore, we investigated whether sedating antihistamines are more effective than non‐sedating antihistamines in decreasing stress‐induced pruritus.

和訳と要約

「かゆみを抑えるのに効果的なのは、鎮静作用のある抗ヒスタミン剤か鎮静作用のない抗ヒスタミン剤かを検証」

ちなにみ検証結果は鎮静作用のある抗ヒスタミン剤でした。


ドッキリしかけた後に、鎮静剤まで。

研究はすごいです。


ここからわかることは。

かゆみは、視覚からも刺激を受けそれを覚えてしまう。

「かゆみ」を記憶してしまう。

なので「かゆみ」治療は早めに行ったほうがいいです。


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「かゆみ」コラム 〜愛知県春日井市 みやこ内科クリニック〜

愛知県で体の中からかゆみ治療をしているみやこ内科クリニックです。体がかゆい、薬を塗ってもかゆい、かゆくて寝られないなど、かゆみの相談を毎日受けています。「かゆみ」の相談をする場所が少ないこともあり、他県からも来院されます。かゆみはつらい症状の一つで治療ができるのだということが世の中に広まればと思い、このコラムを書くことにしました。