18歳未満で「アトピー」の有病率は大都市で多いのか?田舎で多いのか?
Journal of Investigative Dermatology
January 2011Volume 131, Issue 1, Pages 67–73
Eczema Prevalence in the United States: Data from the 2003 National Survey of Children's Health(海外の論文サイトへ飛びます)
和訳すると「アメリカの子どもたちの湿疹の流行調査」です。
題には湿疹と書いてありますが、内容を読むと「Atopic dermatitis(アトピー性皮膚炎)」のことが書いてあります。
アトピー性皮膚炎の調査を102,353名の子どもに対して行った調査です。
そこで州ごとのアトピー性皮膚炎の有病率を調査したところ
以下のような結果が出たと書いてあります。
The highest state prevalence values were reported in many East Coast states, as well as Utah, Idaho and Nevada. The lowest state prevalence values were in the middle and southwestern parts of the country.
和訳と要約、そして数字のデータを足しました。
「もっとも高い値を示したユタ州(13.52%)、アイダホ州(11.82%)、ネバダ州(14.17%)と同様に東海岸の多くの州で高い数値が報告された。
中央部と南部で低い値を示した。」
ここでの高い数値とは、11.5%以上のことです。
このレポートではこのデータを下記のように分析しています。
Similar to the ISAAC study, which revealed striking world-wide geographic variability in AD prevalence, our data revealed significant geographic variability in disease prevalence within the United States with a higher prevalence in the East Coast states. The reason for this variability is not known and is likely multi-factorial. One explanation may be the presence of a higher number of metropolitan centers in the Eastern versus Western United States.
和訳と要約です。
「ISAACの研究と同様アトピー性皮膚炎は全世界の色々な地理条件のところで流行しています、私たちの研究結果は東海岸で高い流行が見られました。
流行の原因はわかっておらず、要因は複数であると思われる。一つ挙げるとするならば、東海岸と西海岸に大都市が集中している可能性がある。
一応、気候について調べてみました。
この有病率の高い地域の気候を調べてみると。
アメリカのユタ州、アイダホ州、ネバダ州は気候的には亜乾燥気候です。
この地域は突出して高いです。
東海岸は湿度は日本より高いところもあるので。
アトピーは気候の影響もあるとは思いますが。
この研究で言うところの、色々な要因の一つということになると思います。
このレポートでの有病率が一番低かったのは、ウェストバージニア州(8.69%)です。
ここはアメリカで山岳州と言われており、高原が75%を占めている州です。
大都市というよりは、自然が多いところですね。
気候は、比較的湿度が高く暖かいところのようです。
大都市か自然かで比較すると最大で5%の開きがあります。
大都市だとなぜアトピー性皮膚炎を起こしやすいのか?
ここが解明されれば、影響している物質や環境が見えてくるのかなと思います。
ただ、少ないといっても比較しての話で。
8.69%の方がアトピー性皮膚炎です。
決して悩んでいる人が少ないというわけではないです。
このレポートを読んだ私の感想は。
「アメリカ全土で悩んでいる。」ということです。
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