「かゆみ」の原因は大きく分けて4つのパターンがある
Dermatol Ther. 2013 Mar-Apr; 26(2)
Understanding the pathophysiology of itch(海外論文サイトへ飛びます)
日本語題:かゆみの病態生理を理解する
かゆみの原因は人それぞれですが。
患者さんからの相談の多くは、「炎症」が原因ですが。
他にもないのか探していたら、この分類にたどり着きました。
この冒頭にこのように書いてあります。
Itch is the most common symptom described by our patients. Treating this symptom can be challenging. A revolution is ongoing in understanding the pathophysiology of itch and will allow this challenge to be met. The present authors review and update the current understanding of the pathophysiology of itch.
和訳と要約
「かゆみは多くの患者さんがいます。治療は挑戦しています。かゆみの病態生理への理解は革新的に進め、挑戦を達成させようとしています。かゆみの病態生理の現状を理解してもう一度検討する。」
この論文は2013年です。
正直つい最近の研究発表ですね。
「かゆみ」という悩みはあったけど、治療の研究は始めたのは最近です。
大きく分けると4つ分類がある。
1. Neurogenic: Generated in the central nervous system in response to pruritogens but without any evidence of neural pathology.
2. Psychogenic: Itching caused by a psychological disorder.
3. Neuropathic: Results from neuronal pathology along the afferent pathway.4. Pruritoceptive: Generated in the skin, usually by inflammation or other visible pathological processes involving the skin.
和訳と要約
「1、神経原性:かゆみの病態生理はないが中枢神経が反応してかゆみを起こしている。
2、精神的:精神的な障害によってかゆみが起こる
3、神経性:神経が病理となって起こしている。
4、掻痒感(そうようかん):皮膚など目に見える発生源が起こしている。」
この4つの分類で1と2はなかなか難しいです。
「かゆみ」の原因が他の病気や精神的など特定できないのは困難です。
3と4は目に見えるか見えないかの差でどちらも「炎症」です。
肌が荒れていても「かゆみ」を感じない場合がありますよね。
この「かゆみ」を伝える物質の代表がこちらです。
Histamine had been the paradigm for in vivo modeling of pruritoceptive itch. Although histamine remains important, the itch field is now much broader than this one mediator.
和訳と要約
「ヒスタミンはかゆみが起こると考えられていた。いまだにヒスタミンは依然として重要ではあるがこの1つだけではない。」
ヒスタミンは重要だけど、この1つだけでは考えられない。
ようは、第一候補はヒスタミンであると言っています。
ヒスタミンを抑えればいいじゃないと思いますよね。
これもなかなか難しいのです。
Four distinct histamine GPCRs have been indentified, H1, H2, H3, and H4, with the first and last having a role in itch . The H4 receptor was discovered relatively recently and was shown to be important in mast cell and eosinophil function, and in allergic inflammation in vivo . H4 receptor activation was also shown to produce acute itching separate from H1 activation .
和訳と要約
「ヒスタミンはH1,H2,H3,H4がありH1とH4がかゆみに関わる。このH4が最近発見されてアレルギー性炎症に重要であることがわかった。H4受容体はH1受容体とは違うかゆみが発生する。」
ヒスタミンは放出されただけでは「炎症」を起こさず。
受け取ると神経が炎症を伝えます。
受け取るのが4種類あり、そのうちH1とH4が「炎症」を伝える。
ヒスタミンだけでもこれだけあるのです。
「かゆみ治療」は選択肢がたくさんあることがわかっていただければ幸いです。
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