オリンピックで大気汚染がわかった
大気汚染がアレルギーを増やした。
と仮説では言われています。
今回は、排気ガス、花粉、砂嵐について取り上げます。
本当に大気汚染がアレルギーを増やしたのか。
オリンピックを使って検証したそうです。
排気ガスについて
The alternative transportation strategy implemented during the 2008 Summer Olympic Games in Beijing (China) provided an opportunity to study the impact of the control measures and weather conditions on air quality and asthma morbidity. The average numbers of outpatient visits for asthma were 12.5 per day at baseline and 7.3 per day during the Olympic events . Compared with baseline, the Olympic Games were associated with a significant reduction in asthma visits (RR 0.54, 95 % CI: 0.39–0.75).
和訳と要約
「2008年北京オリンピックで交通渋滞を緩和するため、夏季オリンピック期間中に交通手段を変更した。喘息の一日の患者数が12.5人から期間中は7.3人まで減った。喘息の患者数が有意に減少した。」
オリンピック期間中、世界中から人が来るので交通規制をして移動手段を車から他のものに変更したら。
喘息の患者数が減った。
排気ガスによる大気汚染と喘息は関係している証明をオリンピックでやっていたことに驚きです。
違う場所で比較すると、他の条件が加わるけど。
同じ場所で交通量を減らしたら喘息が減ったのであれば。
因果関係はある可能性が高いです。
花粉について
Global warming affects the onset, duration, and intensity of the pollen season as well as the allergenicity of the pollen. Studies on plant responses to elevated atmospheric levels of CO2 indicate that plants exhibit enhanced photosynthesis and reproductive effects and produce more pollen.
和訳と要約
「地球温暖化は花粉のシーズン、アレルギー性と同じように季節の開始、期間、濃度に影響を与える。二酸化炭素濃度が、光合成を活性化し花粉をより生産するようになる。」
温暖化によって花粉の期間が長くなり濃度も濃くなる。
二酸化炭素が増えることで花粉が増えるんですね。
そして、繁殖範囲が広がっているというデータもあります。
砂嵐について
Dust storm events were associated with asthma and respiratory admissions to hospitals in many studies. However, the effect varies among published studies. Although many studies have shown a significant increase in asthma exacerbations and hospital admissions, others have shown only mild association with no statistical significance between asthma outcomes and dust storm exposure.
和訳と要約
「嵐が起こると喘息や呼吸器での入院関連していた。しかし、その研究は様々で。多くの研究が砂嵐と喘息の発生に有意に関連していた。ただ、他の研究ではその関係性は軽度として考えられる。」
簡単にいうと、砂嵐が起こると喘息が増えるけど。
どうして増えるのか?という結論はいろいろあって、なかなか証明ができていない。
なので、砂嵐が起こると喘息が増えるのは事実。
原因は不明ということですね。
ただ、日本では原因が特定されつつあります。
Similarly, pollens have been attributed to worsen asthma exacerbations during seasonal dust storms. Watanabe et al., showed worsening asthma symptoms during dust dispersion period, defined as the dust storm day plus the next 6 days in April in Japan, when Japanese cedar pollen levels were increased, which was more common in patients with allergic rhinitis or atopy than in those without.
和訳と要約
「季節性の砂嵐と花粉が喘息を悪化させることはわかっています。日本の4月では砂嵐が起こった次の6日の間はスギ花粉レベルが上昇している間喘息の症状が悪化することを発見、アレルギー性鼻炎やアトピーの方ではない人よりもっと関連していた。」
砂嵐が喘息を悪化させる原因は不明ですが。
日本の4月は砂嵐、黄砂ですね。それとスギ花粉のピークが重なるため。
砂嵐が起こった次の6日間では喘息が悪化した。
日本では原因がわかっている。
海外では、ブタクサなので夏の終わりから秋なんですよね。
日本は、スギがメインなので2月、3月、4月にピークを迎える。
黄砂の時期は3月、4月(ピーク)、5月。
4月のピークの時が重なるわけです。
それが、鼻炎持ちやアトピーの方ではより顕著に出る。
喘息と肌荒れになんの関係があるの?って思いますよね。
喘息は気道に異物が侵入したため起こっている。
肌にも当然異物が当たっています。
その結果じんましん(アレルギー性皮膚炎)が起こるので。
原因は同じなんです。
今回は長文です。
それだけ地球の環境が変わってしまっている。
地球を元に戻すことはかなり難しいです。
だから、対応していく方が楽です。
かゆくなったら、相談してくださいね。
今回引用した論文
日本語題:気象条件、気候変動、新たな新たな要因、ならびに喘息および関連するアレルギー性疾患。 世界アレルギー機構の声明
著者:Gennaro D’Amato, Stephen T. Holgate, Ruby Pawankar, Dennis K. Ledford, Lorenzo Cecchi, Mona Al-Ahmad, Fatma Al-Enezi, Saleh Al-Muhsen, Ignacio Ansotegui, Carlos E. Baena-Cagnani, David J. Baker, Hasan Bayram, Karl Christian Bergmann, Louis-Philippe Boulet, Jeroen T. M. Buters, Maria D’Amato, Sofia Dorsano, Jeroen Douwes, Sarah Elise Finlay, Donata Garrasi, Maximiliano Gómez, Tari Haahtela, Rabih Halwani, Youssouf Hassani, Basam Mahboub, Guy Marks, Paola Michelozzi, Marcello Montagni, Carlos Nunes, Jay Jae-Won Oh, Todor A. Popov, Jay Portnoy, Erminia Ridolo, Nelson Rosário, Menachem Rottem, Mario Sánchez-Borges, Elopy Sibanda, Juan José Sienra-Monge, Carolina Vitale, and Isabella Annesi-Maesano
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