寝れるようにするのが第一歩の理由。睡眠負債について調べてみた。

寝れるようにするのが第一歩の理由。睡眠負債について調べてみた。

かゆみ相談で多いのが「眠れない」

眠れないのがどの程度体に影響するのか?

睡眠負債について調べてみました。


”睡眠負債とは寝貯めはできないが睡眠不足での悪影響はどんどん増えていく睡眠の性質からつけられた(1)”

睡眠不足でいいじゃないって思っていましたが。

睡眠不足の悪影響は積み重なっていくんですね。

睡眠不足だと脳はどのような状況なのでしょうか。


連続して15時間以上起きている状態では「酒気帯びの状態」と同程度の作業能力になることが知られています。さらに時間を延ばして17時間では、血中アルコール濃度が0.05パーセントの状態と同程度に低下。これは、体重が45キロの人が缶ビールを1缶、体重60キロの人であればウイスキーをショットグラスで2杯飲んだときと同程度の状態です。

15時間でお酒飲んでるのと変わらない…

17時間だとそこそこいい気分になっている状態ですね。

脳の疲労状態がよくわかります。

悪影響はどのようにもう少し調べてみました。


"In general, we’ve always assumed full recovery of cognition following short- and long-term sleep loss," Veasey says. "But some of the research in humans has shown that attention span and several other aspects of cognition may not normalize even with three days of recovery sleep, raising the question of lasting injury in the brain. We wanted to figure out exactly whether chronic sleep loss injures neurons, whether the injury is reversible, and which neurons are involved."(2)

和訳と要約

「一般的に、私たちは短期の睡眠不足や長期の睡眠不足でも認知は完全に回復すると思ってきた。しかし、3日間の睡眠でも脳の認知的能力が正常化しないことが示されている。脳に持続的な損傷があり、またどのニューロンなのか問題提起された。」


睡眠不足だから寝たらいいってことではなく。

睡眠不足は脳にダメージを与えて、正常化しない可能性がある。

この記事の中には認識に必要なニューロン、「LCニューロン」が死滅すると書いてあります。

寝ても回復しないというのは驚きました。

寝ていないと、怒りっぽくなったり集中できないな〜くらいに思っていました。

認識が甘かったですね。


かゆみで寝ていないという状態が長く続いた場合。

この皮膚へのダメージだけではなく、脳へのダメージに繋がる。

かゆみ治療で最初に行うのが寝られるようにする。

それは、皮膚の治療時間を稼ぐためと思っていましたが。

睡眠負債の予防にもなりますね。


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今回引用した文献

(1)「睡眠負債に気をつけよう」(視点・論点)

引用元:NHK解説委員会


(2)Penn Medicine Researchers Show How Lost Sleep Leads to Lost Neurons

日本語題:睡眠が足りないとニューロンを失うことになる。

著者:Yan Zhu、Guanxia Zhan、Polina Fenik、Lori Panossian、Maxime M. Wang、Shayla Reid、David Lai、James G. Davis、 A. Baur

「かゆみ」コラム 〜愛知県春日井市 みやこ内科クリニック〜

愛知県で体の中からかゆみ治療をしているみやこ内科クリニックです。体がかゆい、薬を塗ってもかゆい、かゆくて寝られないなど、かゆみの相談を毎日受けています。「かゆみ」の相談をする場所が少ないこともあり、他県からも来院されます。かゆみはつらい症状の一つで治療ができるのだということが世の中に広まればと思い、このコラムを書くことにしました。