「かゆみ」相談は本人もだけど、家族が「つらそうで」と付き添いで来ることが40%ほどある。その心を調べてみた。

「かゆみ」相談は本人もだけど、家族が「つらそうで」と付き添いで来ることが40%ほどある。その心を調べてみた。

Social context and perceived agency affects empathy for pain: an event-related fMRI investigation.(海外論文サイトへ飛びます)

日本語題:社会的状況と認知されたら、痛みの共感に影響を及ぼす:事象に関連するfMRIの調査。


痛みじゃないって思いますが、内容は共感です。

家族の心に焦点を合わせてみました。


Studying of the impact of social context on the perception of pain in others is important for understanding the role of intentionality in interpersonal sensitivity, empathy, and implicit moral reasoning. 

和訳と要約

「人に興味を持つ、共感、暗黙の道徳における役割を理解するためには、他者への痛みの知覚に対する社会的役割の影響の研究が重要である。」

他者の苦痛を自分が感じること。

それの背景には、共感・道徳的な役割がある。

それを研究してみたって内容です。


The main effect of perception of pain was associated with signal increase in the aMCC, insula, somatosensory cortex, SMA and PAG. Importantly, perceiving the presence of another individual led to specific hemodynamic increase in regions involved in representing social interaction and emotion regulation including the temporoparietal junction, medial prefrontal cortex, inferior frontal gyrus, and orbitofrontal cortex. 

和訳と要約

「痛みの知覚の主な効果は、aMCC、insula、体性感覚皮質、SMAおよびPAGのシグナル増加と関連していた。重要なことに、別の個体を認識するのは、側頭頂接合部、内側前頭前野、下前頭回、およびorbitofrontal皮質を含む社会的相互作用および感情調節に関与する領域において血行量が増加をもたらした。」


ややこしいですね。

自分が痛みが感じるところと他人を認識するところでは脳が違う部分が反応していますよ。

そういう内容です。

個人は痛みを感じている。「かゆみ」も同じです。

苦痛は感じる部分が反応している。

家族の脳では、社会的な部分と感情を調節する部分が反応している。

「目の前にいるつらい人を助けたい」という感情が働いている。

社会的な部分も反応しているので、家族だと強く反応するでしょうね。


みやこ内科クリニックで「かゆみ治療」をしてから。

家族からの相談が増えた理由がこの論文で納得できました。

日本人特有なのかなって思っていましたが。

人間だからなんですね。なんかステキって思いました。


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「かゆみ」コラム 〜愛知県春日井市 みやこ内科クリニック〜

愛知県で体の中からかゆみ治療をしているみやこ内科クリニックです。体がかゆい、薬を塗ってもかゆい、かゆくて寝られないなど、かゆみの相談を毎日受けています。「かゆみ」の相談をする場所が少ないこともあり、他県からも来院されます。かゆみはつらい症状の一つで治療ができるのだということが世の中に広まればと思い、このコラムを書くことにしました。