「かゆみ」の治療薬、全員に効くというものはないということを証明した
Allergy. 2011 Mar;66(3):317-30
Unmet clinical needs in chronic spontaneous urticaria. A GA²LEN task force report.
日本語題:慢性蕁麻疹の臨床結果は満足できるものではない。GA²LENタスクフォースレポート。
肌荒れしていて「かゆみ」を相談される方の多くが実はこの「慢性蕁麻疹」
どうして「かゆみ」に力を入れているのか。
このレポートのこの文章と同じ気持ちだからです。
Chronic spontaneous urticaria has major detrimental effects on quality of life, with sleep deprivation and psychiatric comorbidity being frequent. It also has a large impact on society in terms of direct and indirect health care costs as well as reduced performance at work and in private life.
和訳と要約
「慢性蕁麻疹は睡眠不足やメンタルに影響をして生活の質に影響を与える。それが直接的・間接的を問わず、医療費や仕事へのパフォーマンスを下げて社会に大きな影響を与えている。」
「かゆみ」での悩みの多くは、この「睡眠不足」を引き起こすこと。
「かゆみ」の多くは夕方から夜にかけて起こるので寝られない。
寝ると無意識になるので、かいてしまうんです。
無意識にかいてしまうので、痛みが走るようになってしまいます。
ここで治療薬として使われるのが抗ヒスタミン剤というかゆみを抑える薬です。
使った結果どうなったのか。
Nonsedating H₁-antihistamines are the mainstay of symptomatic therapy, but treatment with licensed doses relieves symptoms effectively in < 50% of patients. Although guideline-recommended updosing up to fourfold increases symptom control in many patients, a substantial number of patients have only little benefit from H₁ -antihistamines.
和訳と要約
「非鎮静H1抗ヒスタミン剤が主流の治療法ですが、決まっている投与量ではかゆみが治った患者さんは50%未満だった。ガイドラインの4倍投与したら多くの患者さんがかゆみのコントロールはできたがそれでもまだ多くの患者さんに効果がなかった。」
「かゆみ」に影響を与えているというヒスタミン。
それを抑える薬を飲んで「かゆみ」が治った人は50%未満とあります。
少ないという感じでかかれていますが。
50%近くの方が「かゆみ」から解放されている。
多くの方が救われていると私は思います。
その後4倍まで増やす方が「うん?」という感じです。
この論文ではこのようにしめくくっています。
Consequently, there is a great need for new therapeutic strategies.
和訳と要約
「結果としてわかったこと、新しい治療法のニーズが大きい。」
抗ヒスタミン剤だけで終わり。
合わなかったらもうない。
それではダメですよね。
「かゆみ」は生活と密着しているので。
その人に合ったものを探す、もしくは生活リズムに合った治療法にする。
「かゆみ治療」に限らず大事なことだと思います。
世界でも新しい選択肢を増やす努力をしています。
きっと新しい解決策がうまれてくるでしょう。
今後も調べていきます。
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